ウマ娘ではそのサポートカードが強いということで高い人気を誇り、今では多くの人にウマ娘を通じて知られているファインモーション。あなたは実際のファインモーションについては知っているでしょうか?ウマ娘では実際にはどんな馬だったのか知らない方も多いのではないでしょうか?
自分自身もウマ娘のファインモーションしか知らなかったため、今回は史実のファインモーションについて調べました!一緒にファインモーションについて勉強しましょう!

史実のファインモーション

ファインモーションの基本情報
基本情報 | ファインモーション |
---|---|
性別 | 牝 |
生年 | 1999年 |
毛色 | 鹿毛 |
父 | Danehill (デインヒル) |
母 | Cocotte (ココット) |
母父 | Troy (トロイ) |
通算成績 | 15戦8勝 |
生涯獲得賞金 | 4億9451万8000円 |
ファインモーションは1999年生まれの牝馬の競走馬。生産国はアイルランドで日本で調教された外国産馬。
父デインヒルは現役時代は短距離で活躍したもののその産駒は距離を問わず活躍している。デインヒル自身もイギリスで長らくリーディングサイアー(種牡馬別の産駒獲得賞金1位)に輝き、その産駒からも多数のリーディングサイアーが生まれている。そのため世界中でデインヒル系が形成されている。
ファインモーションのお兄さんにはG1を6勝し、凱旋門賞も2年連続2着のピルサドスキーがいる。ピルサドスキーは97年のジャパンカップの勝ち馬としても知られる。

競争成績
開催日 | 開催場所 | レース名 | 距離 | 人気 | 着順 | 騎手 |
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2004/11/21 | 京都 | マイルチャンピオンシップ(G1) | 芝1600m | 2 | 9 | 武豊 |
2004/08/22 | 札幌 | 札幌記念(G2) | 芝2000m | 1 | 1 | 武豊 |
2004/07/25 | 函館 | 函館記念(G3) | 芝2000m | 1 | 2 | 武豊 |
2004/06/06 | 東京 | 安田記念(G1) | 芝1600m | 3 | 13 | 武豊 |
2003/12/21 | 阪神 | サンスポ阪神牝馬S(G2) | 芝1600m | 1 | 1 | 武豊 |
2003/11/23 | 京都 | マイルチャンピオンシップ(G1) | 芝1600m | 2 | 2 | 武豊 |
2003/10/12 | 東京 | 毎日王冠(G2) | 芝1800m | 1 | 7 | 武豊 |
2003/08/17 | 札幌 | クイーンS(G3) | 芝1800m | 1 | 2 | 武豊 |
2002/12/22 | 中山 | 有馬記念(G1) | 芝2500m | 1 | 5 | 武豊 |
2002/11/10 | 京都 | エリザベス女王杯(G1) | 芝2200m | 1 | 1 | 武豊 |
2002/10/13 | 京都 | 秋華賞(G1) | 芝2000m | 1 | 1 | 武豊 |
2002/09/15 | 阪神 | 関西TVローズS(G2) | 芝2000m | 1 | 1 | 松永幹夫 |
2002/08/25 | 札幌 | 阿寒湖特別(1000万下) | 芝2600m | 1 | 1 | 松永幹夫 |
2002/08/04 | 函館 | 3歳以上500万下 | 芝2000m | 1 | 1 | 松永幹夫 |
2001/12/01 | 阪神 | 2歳新馬 | 芝2000m | 1 | 1 | 武豊 |
通算成績15戦8勝。主な勝鞍はG1秋華賞、G1エリザベス女王杯。G1を2勝、G2を3勝。1600mから2600mまで幅広い距離で活躍しました。2002年にはJRA最優秀3歳牝馬を受賞。
デビュー前
ファインモーションは当初世界的なオーナーブリーダーであるクールモアグループが購入し、競走馬としてデビューさせる予定でした。しかし、伊藤雄二調教師が生後数か月のファインモーションを一目見てその能力の高さを評価し、取引を成立させた。伏木田達男氏が1億円以上という高額で購入。
当時伏木田氏が会長を務める伏木田牧場は優秀な繁殖牝馬が少なかったことから、ファインモーションは将来の繁殖牝馬を期待しての購入であり、競走馬としてはそこまで期待されていなかった。
それでも実際に調教を始めると関係者の間ではその能力の高さが評判になるほどでした。調教の様子を見学した岡部幸雄騎手は「こんな馬と競争する相手は可哀想だね」と証言したそうです。
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2,3歳時
その評判通り2001年12月1日と遅いデビューでしたが新馬戦を逃げて4馬身差の圧勝。その後はデインヒル産駒特有の足元の弱さもあり2戦目は翌年8月と同世代には遅れをとったものの、4連勝でG2ローズステークスを制覇。
そこで迎えた初のG1秋華賞。鞍上は新馬戦以来の武豊騎手。単勝1.1倍の圧倒的1番人気。伊藤調教師は85%の出来としながらも、武豊騎手はほとんど追うことなくほぼ馬なりで3馬身半の圧勝。しかも1分58秒1のタイムはレコードタイ記録。
秋華賞で初G1制覇した次走はG1エリザベス女王杯。初の古馬との一戦。まだ5戦しかしていない3歳馬ながら単勝1.2倍と断然の1番人気。スタートで折り合いを欠くものの、上がり最速の脚で2馬身半差で勝利。デビューから6戦での古馬混合G1制覇は当時の最速記録。(昨年にはイクイノックスが5戦目で天皇賞秋を制覇)無敗での古馬G1制覇は史上初の快挙でした。
デビューから6連勝、G1も2勝と勢いに乗るファインモーションは年末の有馬記念にはファン投票3位の支持を受けて出走。同世代のシンボリクリスエスや年上のナリタトップロード、ジャングルポケットら豪華メンバーの中で1番人気に支持されます。ファインモーションは先行する競馬が得意ですが、この時はのちにジャパンカップを制するタップダンスシチーに競りかけられ、ペースを乱したことで5着に敗れてしまいます。
有馬記念で初の負けを喫しましたが、年末のJRA賞では最優秀3歳牝馬に選出されました。ここまで順風満帆のファインモーションですが、古馬になってからは苦しい期間を過ごすことになります。

4,5歳時
古馬となっての初戦は札幌1800mでのG3クイーンステークス。衝撃の3歳成績もあり当然の単勝1.4倍の1番人気。G3であるためここは負けないと目されていたもののオースミハルカの逃げ切りを許し2着。秋にはG1天皇賞秋への出走を目指していたため前哨戦のG2毎日王冠に出走。しかし、初の左回りもあってか7着と大敗。この大敗によって天皇賞秋も断念。
天皇賞秋に出走できなかったことでG1マイルチャンピオンシップに出走。初のマイル戦となった。それでも直線半ばで抜け出すと、武豊騎手も勝利を確信したというほどの手応え。それでも切れ味抜群の末脚で大外からデュランダルが強襲。3/4馬身差での2着に敗れた。しかし、これで自信を取り戻したのか続くG2阪神牝馬ステークスではクビ差と苦しみながらも1年ぶりの勝利をあげました。
5歳になってからも現役を続行。しかし、ここから武豊騎手でも制御することが難しくなったようで、5歳での初戦となったG1安田記念では13着の大惨敗。続くG3函館記念でも2着に敗れます。制御がきかなくなったことで連敗だったためG2札幌記念では先行競馬から後方待機する競馬へと作戦を変更。うまく折り合うことができたことで重賞5勝目をあげました。
秋には昨年2着になったG1マイルチャンピオンシップに挑むものの、またしても折り合いがあわず制御不能となったことで9着に惨敗。この負けを最後に競走馬を引退となりました。
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競走馬引退後
ここまでの素晴らしい競争成績をあげたファインモーションですが、当初は競争成績よりも繫殖牝馬として期待されて購入された馬。当初の目的通り繁殖牝馬入りすると、初年度にはキングカメハメハと交配されます。
キングカメハメハは2度のリーディングサイアーに輝き、その産駒には牝馬三冠のアパパネ、史上最強短距離馬のロードカナロアなどを輩出した大種牡馬。キングカメハメハ系とも呼ばれる一大系統を築いている大種牡馬です。
そんなな大種牡馬と交配されますがまさかの不受胎。その後も一度も受胎することなく繁殖牝馬を引退。これほどの名牝ながらその子供を残すことができませんでした。
なぜ子供が生まれなかったのか?
ファインモーションに何度種付けしても不受胎になったことから医学的な検査を行うと、染色体の異常から受胎が不可能だったことが判明しました。
ファインモーションはその能力が規格外でその心肺機能も牝馬としては異常なほどだったようです。そのためファンの間では「本当に牝馬なのか?」「実は牡馬なんじゃないのか?」「実は両性具有だったのではないのか?」など多くの噂がささやかれました。

ウマ娘でのファインモーション

ウマ娘のキャラクターは史実の馬の要素をたくさん含んだデザインやストーリーになっているようです。ファインモーションにも史実の馬を参考にした要素が多数含まれています。
見た目の元ネタ
キャラクターの見た目では、ファインモーションが鹿毛の馬であったことからキャラクターも同じような髪色をしています。
馬には流星と呼ばれる額の白い模様をもつものも多く存在します。ファインモーションにもこの流星があり、それをウマ娘では前髪の白い部分で表現しています。
ウマ娘のファインモーションは頭に三つ葉のクローバーの耳飾りを付けています。三つ葉のクローバーはファインモーションの出身国であるアイルランドの国花に指定されているためこのような耳飾りをつけていると考えられます。
服も白を基調として赤袖に緑一文字の伏木田オーナーの勝負服を意識したデザインになっています。
尻尾の先を見てみると、他のウマ娘は先がとがっているのですが、ファインモーションはとがっていません。これは実際のファインモーションが尻尾の先を綺麗に切り揃えられていたことに由来します。

エピソードの元ネタ
ウマ娘のファインモーションは名家のお嬢様という設定です。これは前述したようにファインモーションは父デインヒル、兄にはG1を6勝したピルサドスキーを持つ超良血馬です。そのためこうした名家のお嬢様になったのでしょう。
ウマ娘のファインモーションは転校生という設定でもあります。これは他のウマ娘には日本生産馬が多い中でアイルランド出身の外国生産馬だということが由来です。
ファインモーションの兄ピルサドスキーはジャパンカップ覇者としても知られます。そのジャパンカップの時には同レースに出ていたエアグルーブに「馬っ気」をだしたエピソードが有名。そのためウマ娘でもエアグルーブはファインモーションの家族には嫌悪感を抱いているシーンがあります。

まとめ
ファインモーションは通算15戦8勝、G1を2勝もしている素晴らしい成績ですが、デビューから6連勝といった衝撃の3歳から古馬になってからは1年以上勝てない苦しい期間を過ごした波乱万丈な競争生活を送っていたことが分かりました。ウマ娘の中では多くのレースに勝たせてあげたいですね。
史実のファインモーションについてみた後だとウマ娘のファインモーションどれだけ作りこまれているのかがよく分かりますね。さすがウマ娘!
最後まで読んでいただきありがとうございました!

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