2月19日(日)に開催される今年初のG1フェブラリーステークスに初の外国馬、カナダのシャールズスパイトがジョアン・モレイラ騎手とのコンビで参戦する予定だと分かりました。
参戦が決定すれば外国馬としては初のフェブラリーステークスへの出走となります。
今回はそんなシャールズスパイトについて解説していきたと思います。少しでもみなさんの馬券の参考になれば良いなと思っています。

シャールズスパイトとは?

基本情報
基本情報 | シャールズスパイト |
---|---|
性別 | 牡馬 |
年齢 | 6歳 |
毛色 | 鹿毛 |
父 | Speightstown(スペイツタウン) |
母 | Perfect Shirl(パーフェクトシール) |
母父 | Perfect Soul(パーフェクトソウル) |
通算成績 | 14戦5勝【5-1-2-6】 |

血統表

父スペイツタウンは短距離レースで活躍し、6歳時にはG1ブリーダーズカップ・スプリントを制し、同年のエクリプス賞(アメリカの年度代表表彰)最優秀短距離馬にも選出された。その父にはアメリカでG1馬12頭を輩出したミスタープロスペクター系の名種牡馬ゴーンウエストを持ち、母シルケンキャットはカナダ2歳牝馬チャンピオン。母父ストームキャットは北米2歳リーディングサイアーを7回獲得した大種牡馬という良血馬。スペイツタウン同様に母父ストームキャットを持つ馬としては日本でもロードカナロアやリアルスティールなど多くのG1馬が知られています。
スペイツタウン産駒成績はG1を26勝、G2を8勝、G3を19勝。日本でもG1高松宮記念を制したモズスーパーフレアやJpn1川崎全日本2歳優駿を制したリエノテソーロが代表産駒としています。この2頭のようにスペイツタウン産駒は芝・ダート両方でG1を制覇しており、シャールズスパイトもダート適正がある可能性が高いです。

競争成績
開催日 | レース名 | 着順 | 騎手 | 距離 |
---|---|---|---|---|
2022/11/05 | ブリーダーズカップマイル(G1) | 2 | L.サエス | 芝1600m |
2022/09/17 | ウッドバインマイル(G1) | 4 | E.ウィルソン | 芝1600m |
2022/07/23 | コノートカップ(G2) | 5 | E.ウィルソン | 芝1400m |
2022/06/18 | サルヴァトールマイルステークス(G3) | 3 | E.ウィルソン | ダート1600m |
2022/05/07 | ターフクラシックステークス(G1) | 4 | L.サエス | 芝1800m |
2022/04/15 | メーカーズマークマイルステークス(G1) | 1 | L.サエス | 芝1600m |
2022/02/05 | タンパベイステークス(G3) | 1 | E.ウィルソン | 芝1700m |
2022/01/15 | 条件戦 | 1 | A.ガヤルド | 芝1700m |
2021/12/19 | 条件戦 | 7 | R.ヘルナンデス | AW1660m |
2021/01/10 | 条件戦 | 5 | J.ヴェラスケス | ダート1200m |
2020/10/03 | トロントカップ(L) | 3 | R.ヘルナンデス | 芝1600m |
2020/09/19 | ウッドバインマイル(G1) | 7 | 木村和士 | 芝1600m |
2020/07/25 | マリンステークス(G3) | 1 | R.ヘルナンデス | AW1700m |
2020/07/04 | 未勝利戦 | 1 | R.ヘルナンデス | 芝1400m |
G1を1勝、G3を1勝。マイル戦では【1-1-2-2】と安定した走りで主にカナダの芝マイル路線で活躍している馬。芝とダート両方に出走経験がありますが、ダートでは未勝利。それでもフェブラリーステークスと同距離のダート1600mのG3で3着に入った経験があるためダート適正がないわけではない。しかし、近年外国馬が苦戦傾向のことを考えてもG1で好走するには少し実績が乏しいようにも思えます。

カナダ競馬のレベル
シャールズスパイトはカナダのG1馬ですが、カナダ競馬のレベルは日本と比べてどうなのでしょうか。
競馬も一種のスポーツであるため各国の競馬のレベルには優劣がついています。国際競馬統括機関連盟は各国をTier分けしています。それによると日本もカナダも世界的にレベルが高いとされるパートⅠに分類されています。
一方で馬単体のレベルに目を向けてみましょう。国際的基準によって各馬の能力を数値化したレーティングによると、シャールズスパイトのレートは116。これはカナダの馬では1位、全体では151位の数値で、有馬記念でのエフフォーリアが獲得したレートと同じでした。
日本馬での1位は有馬記念でのイクイノックスが126のレートを獲得し、全体3位。シャールズスパイトのレートよりも高いレートを獲得した日本馬は合計29頭。このことからも日本競馬の方がカナダ競馬よりもレベルが高いと結論付けます。
ちなみにシャールズスパイトよりもレートが1高かった日本馬はアスクビクターモア、カフェファラオ、チュウワウィザード、ダンシングプリンス、ディープボンド、ポタジェ、ソウルラッシュ、ヴァンドギャルド、ステイフーリッシュでした。
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なぜフェブラリーステークスに参戦するのか?
オーナーのチャールズ・フィプケ氏の代理人のシド・フェルナンド氏は「オーナーはシャールズスパイトでG1を勝利し、将来的には種牡馬候補としている」と説明しており、芝・ダート両方でのG1制覇で同馬の種牡馬価値をさらに高めようとしていることが考えられます。
フェブラリーステークスはジャパンカップなどのような海外馬招待レースではないため、シャールズスパイトが出走するためには高額な遠征費をオーナーが自腹で支払わなければなりません。それでも出走に前向きなようなのでこの馬にかなりの期待をかけていることがうかがえます。

ジョアン・モレイラとは?

シャールズスパイトはジョアン・モレイラ騎手との初コンビでの出走予定です。
ジョアン・モレイラ騎手とは香港ジョッキークラブに所属するブラジル人騎手。香港を代表する騎手で馬を思うままに操り、簡単に勝利させてしまうことから「マジック・マン」の異名を持ちます。また、香港では「雷神」とも呼ばれているようです。
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来歴
- 1983年、9月26日にブラジルに生まれる。
- 2001年、ブラジルで見習い騎手としてデビュー
- 2004/2005年から2007/2008年まで4年連続でサンパウロのリーディングに輝く。
- 2006年には1日で8勝を記録するなど輝かしい成績でブラジルや南アフリカで9年で1000勝以上を記録する。
- 2009年、シンガポールに拠点を移す。
- 2010~2013年の4年連続リーディングに輝く。12年には206勝をあげ、シンガポール競馬のシーズン勝利記録を更新。
- 2013年、香港に拠点を移す。
- 2014/2015年シーズンで145勝をあげ、年間勝利記録を更新。16/17シーズンまで3年連続リーディングに輝く。
- 2017年、ラッパードラゴンで史上初の香港4歳三冠を達成。
- 2018年、JRAの通年免許のための騎手試験をうけるも1次試験不合格。
- 2022年、香港の通年免許の返納を発表。

日本での成績
- 2014年、安田記念騎乗のため初来日。6鞍で最高が2着と未勝利。
- 2015年、札幌競馬場の第一回ワールドオールスタージョッキーズに参加。20レースで7勝、2着4回、3着1回。
- 2016年、短期免許取得で来日。開催6日、54レースで17勝、2着12回、3着7回。騎乗機会7連勝も記録。重賞では3鞍で2着2回、4着1回。
- 2017年、安田記念騎乗のために来日。55レースで15勝。
- 2018年、JRA通算100勝を達成。初騎乗から294戦での達成はJRA史上最速記録。通算連対率5割越えと圧倒的な成績を残した。エリザベス女王杯でリスグラシューに騎乗しJRAG1初制覇も達成。

まとめ
シャールズスパイトはここまで目立ったダート実績はありませんが、血統的にはダートで好走してもおかしくありません。また、鞍上のジョアン・モレイラ騎手は香港ナンバーワン騎手で日本でも圧倒的な成績を残しているためどのようにこの馬を導くのか楽しみです。
近年の外国馬の日本での成績とダート実績を考えると現状自分はこの馬を本命では考えていませんが、こうした未知数の海外馬が出走してくれるとレースの楽しみや面白みもより増すと思うので今後も海外馬がどんどん挑戦できるようになって欲しいなと思います。

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