5月14日(日)に開催されるGⅠヴィクトリアマイルの枠順が発表されました。詳しい枠順については以下を参照してください。
ヴィクトリアマイル(G1) 出馬表 | 2023年5月14日 東京11R レース情報(JRA) – netkeiba.com
今回は枠順を考慮してヴィクトリアマイルの最終予想を発表していきたいと思います。
ヴィクトリアマイルの過去10年データについては↓こちらを参考にしてください!
ヴィクトリアマイル 最終予想

◎ ソングライン
本命はソングライン。想定4番人気、鞍上は戸崎圭太騎手。1351ターフスプリント10着からの参戦です。
昨年の安田記念勝ち馬。昨年の芝1600mGⅠでの勝ち馬は【4-1-1-4】複勝率60%と強力データに該当します。コース適性が問われるレースですが、安田記念1着、NHKマイルカップ2着をはじめ、東京1600mは【3-1-0-1】と実績も十分。
昨年のヴィクトリアマイルは5着に敗れています。しかし、これは見直せる内容。終始中団で競馬をすすめていき、4コーナー8番手で通過。1着のソダシは4番手、3着レシステンシアは2番手、4着のローザノワールは1着と前残りの展開。そんななかで2着とはタイム差なしの僅差。道中つまづいてしまい危うく落馬してしまいそうなアクシデントもあったため、スムーズに進められていれば着順も上がっていたでしょう。
その後の安田記念では後方から末脚をいかしてシュネルマイスターやサリオス、セリフォスといった強豪相手に勝利。牡馬混合GⅠでも勝ち切ることができる実力があるため牝馬限定戦なら負けるわけにはいかない。
ここ2走は惨敗が続いていますがこれも度外視できるもの。セントウルSは適正外の1200m。ペースについていけなかっただけで、マイルに戻れば問題内です。1351ターフスプリントは適正外とはいえ昨年勝っているレース。10着と大敗しましたが、スタートで出遅れ、レース中にも鼻出血があったとのこと。体調面が気になるところですが、調教後コメントでは「完成期に入り心技体が充実しています。ピリッとしてきて状態はいいですね」と問題なさそうです。
不安点としては騎手の乗り替わり。これまで主戦となっていたルメール騎手、池添騎手から戸崎騎手へと変更となりました。GⅠの舞台で初騎乗となると馬の特徴を把握しきれていない可能性があります。また、戸崎騎手はNHKマイルカップで2番人気9着、京王杯SCでは5番人気8着となかなか調子が上がっていない印象。
しかし、3週連続で調教に騎乗しており関係性は深まっているはず。戸崎騎手の合図に素早く反応すると併せていた馬をあっというまに抜き去る充実ぶり。戸崎騎手の調子は上がってきていないものの、ここは馬の力を信じたい。
今回は3枠6番に入りました。3枠は過去10年で4勝と最も勝ち馬を出している絶好枠。複勝率も25%と優秀です。人気のスターズオンアースとソダシが1枠、8枠と極端な枠に入ったので、この絶好枠からなら逆転の可能性も十分。得意の東京マイルで復活の勝利の歌を奏でる。
〇 ソダシ
対抗はソダシ。想定2番人気、鞍上はD.レーン騎手。マイルCS3着からの参戦です。
昨年のヴィクトリアマイル覇者。マイル戦では【4-0-1-0】、東京マイル戦でも2戦2勝と無類の強さを誇ります。データ的にも前走GⅠ組、前年の芝1600mGⅠで5着以内の経験あり、東京芝重賞での3着以内ありのプラスデータに該当します。また、マイルGⅠでの勝ちもあるので【4-1-1-4】複勝率60%のデータにも該当します。「白毛のアイドルホース」はその名に違わぬ実力を兼ね備えています。
前走のマイルCSは勝ち馬のセリフォスをはじめ、シュネルマイスター、ソウルラッシュ、ダノンスコーピオンなどマイルの猛者たちが一堂に会したレースでした。このレースでソダシは4角4番の先行策をとりました。それに対して1着のセリフォスは13番手、2着のダノンザキッドは9番手など1~7着までソダシを除きすべて4角6番手以下の馬で決着していました。後有利の展開で前のポジションで粘りこんでの3着。
このレースは直線でヨーイドン!といった末脚勝負の要素が強かった。ソダシの持ち味は瞬発力というよりもスピードの持続力なので、須貝調教師が会見で言っていたように「ソダシの競馬にならなかった」。そんななかでの3着と着差は非常に評価できる。牝馬限定戦なら負けられない内容。
今回は8枠16番と大外枠に入ってしまいました。先行馬のソダシにとっては内枠がほしかったところでした。1800mの府中牝馬Sではゴール前でかなり脚が鈍ってしまい、イズジョーノキセキに差されて2着。1800mでもギリギリなことを考えると距離ロスの大きい8枠に入ったのはマイナスです。
それでも今回のレースは明確な逃げ馬はおらず、スローペースの展開になるでしょう。そうなれば8枠からでも十分ポジションをとれるでしょうし、先行できるソダシにとっては有利な展開になります。また、今週から東京がコース替わりとなるのも追い風です。
不安点としては騎手の乗り替わり。今回はデビューから乗ってきた吉田隼人騎手からD.レーン騎手へ変更となりました。ソダシは気性が難しい面があり、前走もスタート後に少し折り合いを欠く場面も見られました。よく知る鞍上からの変更でうまく乗りこなせるのかには疑問が残ります。
また、D.レーン騎手は天才騎手ですが、来日してからフローラSで2番人気5着、青葉賞で5番人気8着、NHKマイルカップで1番人気5着と人気馬に乗りながら、府中では精細を欠いています。レーン騎手が本来の実力を取り戻せるかもにも注目です。
それでもコース適性が問われるリピーターレースで前年覇者、東京マイルでは2戦2勝と抜群の相性。マイルではいまだに馬券外のないこの馬は外せません。日曜日は雨予報もあり、馬場が渋った場合でもダートGⅠで好走できているこの馬にとっては問題ないです。半年ぶりのレースですが、休養明けは3戦2勝と結果を残しており桜花賞を制覇した時と似たようなローテーション。新しい相棒とともに完璧で究極のアイドルへ!
▲ スターズオンアース
三番手はスターズオンアース。想定1番人気、鞍上はC.ルメール騎手。大阪杯2着からの参戦です。
昨年牝馬二冠を達成し、ここまで9戦走っていながら馬券内を外したことがないという安定感ある成績を残しています。データ的にも前走GⅠ組、前年の芝1600mGⅠで5着以内の経験あり、東京芝重賞での3着以内経験ありのプラスデータに該当しています。また、1600mGⅠである桜花賞で前年勝利しているため【4-1-1-4】複勝率60%の強力データにも該当します。
この馬で評価できるのは前走の大阪杯。このレースでは2着に敗れたものの負けて強しの内容でした。前走は勝ったジャックドールをはじめ、ヒシイグアス、ダノンザキッド、ジェラルディーナなど4頭のGⅠ馬と多数の重賞勝ち馬がそろったレベルの高いレースでした。このハイレベルレースでスタートで出遅れながらハナ差2着に迫ったことはまず評価できるでしょう。
特に注目したいのは4コーナーの通過順位。この馬は4角9番手の位置。一方で1着のジャックドールは1番手、3着ダノンザキッドと4着マテンロウレオは3番手を通過していました。これらを考慮すると前有利の展開で後方からのスターズオンアースには不利なレースであったことが分かります。それにも関わらずハナ差2着に迫ったことはさらに評価できますし、勝ってもおかしくない内容でした。
ここまで9戦して5戦で上がり最速。現在3戦連続で上がり最速を記録しており、確実な末脚をもっている馬です。前走は直線約350mの阪神コースでしたが、今回は直線約530mの東京コースに変わります。直線の長い今回のほうがより持ち味を発揮しやすく、コース適正としては向いています。
不安点としてはマイル戦への対応がどうか。桜花賞を勝利するなどマイル戦での勝利もあり、東京1600mでもクイーンカップで2着になるなど適正は高いはず。しかし、ここ3戦は2000m以上のレースを使ってきています。そのため久しぶりのマイル戦での速いペースについていけるのかには不安が残りますし、ここ2戦出遅れ癖がみられるため、今回も同様ならさらに追走が苦しくなるでしょう。
それでも今回のメンバーでは明確な逃げ馬は不在です。先行馬はある程度いるものの、激しいポジション争いが起きにくいコース特徴であるため、追走が楽な平均からややスローなペースに落ち着くのではないかと思います。そうなれば中団で脚を溜めて自慢の末脚を発揮するだけです。
もしハイペースになったとしても、前走の大阪杯ではジャックドールのつくった1000m58.9秒という速い流れにも追走できていたので十分対応できる力はあるでしょう。
今回1枠2番と過去10年で連対馬を出していない枠に入ってしまったのは少し気になるところ。スローペースで出遅れた場合に馬群に包まれて直線でなかなか抜け出せなくなってしまう可能性が高いのが少し怖い。
しかし、鞍上のルメール騎手は東京芝1600mでは過去3年で【11-9-3-8】複勝率74.2%と圧倒的な実績があります。デビュー戦からのコンビで戦績的にも馬券外に飛ぶことはなかなか考えずらい。心強い相棒とともにオークスを制して以来の東京でGⅠ3勝目を狙います。
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