GⅠ宝塚記念の枠順が発表されました。詳しい枠順については以下を参照してください。
今回は枠順を考慮して宝塚記念の最終予想を発表していきたいと思います。
宝塚記念の過去10年データ分析もやっているのでぜひ参考にしてください!
宝塚記念 最終予想

◎ イクイノックス
本命はイクイノックス。想定1番人気、鞍上はC.ルメール騎手。ドバイSC1着からの参戦です。
現役世界最強のイクイノックス。この馬に負ける要素はあるのでしょうか。正直負けるイメージがわきません。イクイノックスがどのように「世界1位」の実力を見せつけてくれるのかを期待するレースといっても過言ではありません。
イクイノックスの実力については説明不要といったところなので、今回は彼の不安要素とその見解について書いていきたいと思います。イクイノックスの不安点としては初の阪神競馬場、騎手、前走逃げでの勝利、東京GⅠ馬という4点です。
1点目の初阪神競馬場への対応について。これまで日本では東京と中山、海外しか走っておらず関西圏への輸送は初経験。そのため初関西に対応できるのかは疑問です。さらに「阪神競馬場のGⅠで連対経験がなく、同年の阪神・中山で4着以内かつ4コーナー5番手」の経験もなかった馬は【0-0-0-34】複勝率0%と苦戦しています。
しかし、管理する木村調教師は早めに栗東への輸送し、栗東滞在で調整を行うことを決断。滞在当初は落ち着かないところもあったようですが、順調な調教ができているようです。競馬エイトの高橋賢司さんも調教診断1位にあげるなど栗東滞在の効果は高そうです。
不安点の2点目としてはC.ルメール騎手が宝塚記念を苦手としていること。これまでの成績は【1-0-0-6】複勝率14.3%と苦戦しています。さらに7頭中6頭が3番人気以内の馬でした。それでも、同様に相性の悪さで不安視された大阪杯はスターズオンアースでハナ差の2着と結果を残しました。クロノジェネシスではしっかり1着になっており、イクイノックスもそれに並ぶほどの歴史的名馬であると思うので問題ないでしょう。トップジョッキーですのでここ一番での力に期待です。
3点目の前走逃げての勝利という点については、逃げて勝利した後はバランスを崩しやすく次のレースに影響が出やすいことが指摘されます。しかし、これは気性が難しい馬が抑えが効かずに逃げて勝ってしまった場合の話。
対してイクイノックスは気性が難しいタイプではなく、無理やり逃げにいった形ではなかった。普通に走っていたら自分が速すぎて先頭に立ってしまったような印象。そのためレースの反動や疲れも少なそうな内容でした。父のキタサンブラックも逃げ馬でしたのでそこまで気にすることではないです。
最後に東京GⅠを勝っていた馬は過去10年で1度も勝利したことがないという点について。東京と阪神2200mは適性がかなり異なってくるレースなのがその要因と考えられます。しかし、過去の勝ち馬を見てみるとクロノジェネシス、リスグラシュー、ゴールドシップといった有馬記念勝ち馬、有馬記念を人気以上に好走したミッキーロケット、マリアライト、日経賞を連覇したタイトルホルダーと中山2500mと適性が似ていることがわかります。
イクイノックスは昨年の有馬記念を3馬身差の圧勝しており、東京GⅠ勝ち馬といえど十分高い宝塚記念適性をもっていると考えられます。11年前にはオルフェーヴルが東京GⅠ勝ち馬ながら宝塚記念を勝利しています。イクイノックスもオルフェーヴルに匹敵するほどの名馬だと思っているので、データを覆してくれると期待しています。
宝塚記念はイクイノックスの父であるキタサンブラックが唯一勝てなかった古馬GⅠなので、ここで勝利して父の雪辱を晴らしてほしい。いったいどんなパフォーマンスを披露してくれるのか楽しみです。
〇 ジェラルディーナ
対抗はジェラルディーナ。想定3番人気、鞍上は武豊騎手。QE2世C6着からの参戦です。
ジェラルディーナはタフな牝馬で非根幹距離に高い適性があるという宝塚記念で好走するために重要な要素を持っている馬です。
阪神2200mはスタート直後が長く緩い下り坂があり、そこから急坂を登る。この急坂はコースを1周したのちにゴール手前でも登ることになり、パワーとスタミナが求められます。そのため上がり3ハロンのタイムが掛かる展開になりやすい。過去10年の平均タイムは35.9秒。大阪杯よりも1秒近くかかります。
こうしたタフな展開に強いのがジェラルディーナ。エリザベス女王杯、有馬記念がまさにこの展開。上がり最速タイムはそれぞれ35.4秒、35.2秒。そのレースで1着、3着と好成績を残しています。オールカマーでも道中12秒台後半のラップがなく、息を入れられないタフなレースでしたが1着。これらからもタフな展開になりやすい宝塚記念は歓迎の舞台。
さらに牝馬が【4-1-6-15】複勝率42.3%と好走しやすいレースでもあることも、この馬を後押ししています。
また、ジェラルディーナは非根幹距離(400mで割り切れない距離)を非常に得意にしています。これまでの6勝すべて1800mまたは2200m。2500mの有馬記念でも3着に好走しています。ディープインパクト産駒やハーツクライ産駒といった主流血統の馬が非根幹距離を苦手とする中で、非根幹距離マスターというのは宝塚記念においては強みの一つです。
ただ、鞍上の武豊騎手はこうしたタフな馬よりも瞬発力のある馬のほうが得意なタイプなのは不安点でもあります。宝塚記念は前有利の展開になりやすいレースなので、早めに仕掛けてほしい。
また、近走は大阪杯、QE2世Cを連続6着と凡走が続いています。「前走5着以下で距離が1600mまたは3200mではなかった馬」は【1-0-0-38】複勝率2.6%と苦戦しています。
しかし、得意の非根幹距離ではありませんでしたし、展開もタフなレースではなくこの馬に向かない条件でした。そのためこの2レースは度外視で考えたいと思います。春に非根幹距離の上級条件のレースが少ないため、間隔を空けすぎないために使っただけだと考えます。ローテーション的にもこの宝塚記念に向けたものだと感じるので得意舞台で再び好走してくれることに期待しています。
▲ アスクビクターモア
三番手はアスクビクターモア。想定6番人気、鞍上は横山武史騎手。天皇賞春11着からの参戦です。
宝塚記念は前有利の展開になりやすいことと、コース形態からもペースが速くなりやすい。そのため先行力があり、ハイペースでも前で粘りこめる馬を狙いたい。その特徴を持った馬がアスクビクターモアです。
この馬は1~3番手での走りを得意としており高い先行力があります。この馬の特筆すべき点はハイペースでの粘りこみの強さ。特に評価したいのは菊花賞。このレースは前半1000m58.7秒とかなりのハイペースとなり2番手追走となったこの馬には厳しい展開でした。
それにも関わらず4コーナー入り口から先頭に立つという強気の競馬で最後まで粘りハナ差で逃げ切り勝ちを手にしました。過去に菊花賞を前半1000m59秒以内で勝利した馬の位置取りは1コーナー目が14番手、16番手、12番手と後ろで控える競馬をした馬ばかり。このことからもアスクビクターモアの粘りこみの強さが分かります。
また、ダービーでも1,2,4着が4コーナー11番手以下という後ろ有利の展開ながらも3着に好走しており、これらの実績からもペースが速くなりやすくタフな条件である宝塚記念で好走する可能性は高いです。
さらに、弥生賞でドウデュースに勝利、皐月賞でジオグリフ、イクイノックス、ドウデュース、ダノンベルーガといった高レベルの相手に次ぐ5着。現役でもトップクラスの小回り適性を持っていることも心強いです。
一方でディープインパクト系牡馬の宝塚記念成績は【0-0-1-20】複勝率4.8%とかなり苦戦しているのは不安。この要因としては直線の長い東京などで活躍しやすいタイプが多いディープ系であるため、出走してくるディープ系牡馬も適性外の馬が多いことが考えられます。対してアスクビクターモアは前述のとおり高い適性を有している。
それに加えて、血統的には母父に凱旋門賞を制したRainbow Questを持っています。過去に好走したディープ系には母父に欧州系のパワーのある血を持っているという共通点があります。このことからもアスクビクターモアはディープインパクト産駒の牡馬ながらも好走できると考えています。
△ ダノンザキッド
この馬で評価したいのは阪神競馬場への高い適性。宝塚記念は阪神2200mという非常にタフなコースでコース適性の高さが求められます。今回のメンバーの中でもトップクラスに高い阪神適性を持っているのがダノンザキッドです。
ここまでの阪神成績は【1-1-2-0】複勝率100%です。このうち3戦がGⅠであり高いレベルのレースでも好走できていることが分かります。その内容もソダシ、ジェラルディーナ、サリオスといったGⅠ馬たちに先着しています。阪神でなら抑えておきたい一頭です。
不安点としては距離。これまで2000m以下のレースしか走った経験がなく、2200mは未知の距離です。しかし、大阪杯の内容からすると距離延長も問題ないと考えます。
大阪杯は終始ジャックドールとマテンロウレオが内を走っていたことで、その外を走らされるロスのある内容。それにも関わらず直線でも最後まで伸びを欠いていませんでした。そしてジャックドールにはタイム差なしまで迫り、2馬身差をつけています。
この2馬身差つけたマテンロウレオは次走の天皇賞春では8番人気ながら5着に健闘。内をロスなく走り、直線での伸びを欠いたマテンロウレオが長距離レースで健闘できている。そのため、それよりもロスある競馬で直線でも伸びたダノンザキッドが距離延長に耐えられないはずがありません。
その大阪杯から騎手が北村友一騎手へと変更となります。北村騎手とダノンザキッドは【1-2-0-1】と抜群の相性を誇っています。この黄金コンビで再び好走してくれるでしょう。
△ ブレークアップ
この馬で評価したいのは血統面。血統的に宝塚記念で好走する要素を多く持っています。
このレースは非主流血統の方が走りやすい。つまり父がサンデーサイレンス系ではない血統、特に欧州型で母父も非サンデーサイレンス系である方が良いです。
過去5年の馬券内15頭のうち10頭が父が非サンデーサイレンス系。さらにそのうち8頭が母父も非サンデーサイレンス系でした。
このブレークアップは父も母父も非サンデーサイレンス系の血統を持っています。また、母父クロフネは宝塚記念を連覇したクロノジェネシスと同様で好走できる血統だと証明されています。
アルゼンチン共和国杯1着、天皇賞春4着とスタミナとタフさは持っています。天皇賞春組は4着以下だった馬が9頭中7頭と宝塚記念での巻き返しが目立つので、この点でもレースとの相性がいいといえます。
△ ディープボンド
タフさが必要なレースでタフといえばこのディープボンド。3年連続天皇賞春2着となり、いまだ能力は衰えていないことを前走証明しました。
瞬発力はないタイプであるため、豊富なスタミナを活かして先行粘りこみを得意としています。阪神2200mは内回りコースで直線が短く、瞬発力が求められにくい。また先行馬が過去10年で8勝と前有利な点もこの馬とレースの相性がいいことを表しています。
一昨年の有馬記念では2着に好走、昨年の宝塚記念では3着とハナ差の4着。コース適性も高いはず。鞍上の和田騎手もテイエムオペラオー以外でのGⅠ勝利は2018年の宝塚記念ミッキーロケットのみ。このレースとは何かと縁があります。人馬共に待望のGⅠ勝利へ。もう2着入らない!
まとめ
今回は宝塚記念の最終予想を発表していきました。最終予想印は以下の通り
◎ イクイノックス
〇 ジェラルディーナ
▲ アスクビクターモア
△ ダノンザキッド、ブレークアップ、ディープボンド
今回印に入れませんでしたが、スルーセブンシーズとヴェラアズールも気になる存在。オッズ次第ではこの2頭を加えた8頭で馬券を組み立てていきたいと思います。
春競馬を気持ちよく締めくくりましょう!ありがとうございました!
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